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温度変化によるラーメンの応力

温度変化によるラーメンの応力

長さlの部材が一様にt[℃]温度上昇したときの伸び量Δlは,材料の線膨張係数をα[1/℃]としてΔltlで与えられる.温度変化を受けるラーメンの曲げモーメントの計算も支点沈下の場合と同じく,一部の部材回転角が与えられた問題として,いままでと同じ方法で解くことができる.

 ここで,演習問題8.9を解いてみよう.
以上の場合は,部材が一様な温度変化を受ける場合であるが,部材の上下面に温度差が生じる場合は,次のように導かれる荷重(温度)項を端モーメント式に考慮することにより,いままでの方法で解くことができる.
 いま,図8.24(a)に示すように,上下面の温度がそれぞれt1,t2(t2>t1)で,断面の高さ方向に直線分布すると仮定すると,微小長さdxの両端断面はだけ相対的に回転する.この状態が部材の長さlにわたって生じるとすると,両端で生じるたわみ角θは,図(b)を参考にして,次の積分で得られる.

荷重項CAB,CBAは,このたわみ角をゼロにするために加えるべき固定端モーメントとして求められるから,式(8.5)において,τA0=-τB0=α(t2-t1)l/(2h)とおくと,次式が得られる.

解き方は,[例題8.4]で取り扱った中間荷重がある場合と同じである.