図6.3に示したようなトラス構造物を解くためには,座標軸に平行な部材だけでなく,座標軸に対して傾きをもった部材の剛性マトリクスが必要となる.
そこで,図6.8(a)に示すバネ定数kの軸力部材の剛性マトリクスを,つり合い関係より誘導することを考えよう.(全体)座標系(X,Y)以外に部材に沿った座標軸xとそれに直行するy軸を設定する.x軸の原点側の節点をi,ほかの節点jとし,X軸から時計回りに測ったx軸の方向角をθとする.節点力をX,Y,節点変位をU,Vと表し,関連する節点の記号を添え字に付けて用いることとし,図のように座標軸の正方向を向く場合を正とする.節点iのx方向変位uiは

となり,節点jの変位jの変位ujは

となる.したがって,軸力Nは

と表せる.

節点iにおけるX,Y方向のつり合い式は,図6.8(b)を参考にして

となり,さらに節点jにおけるX,Y方向のつり合い式は,それぞれ

となる.式(6.38)~(6.41)のcosθをc,sinθをsと略記して行列表示すると,

となる.これが,任意方向に傾いた軸力部材の剛性方程式である.
ここで,演習問題6.3を解いてみよう.⇒malme.app/news/演習問題/